157種37万エントリーのアイドルブログを分析してみた~時系列編~ | 外資系戦略コンサルタントの視点から見たアイドル・ビジネス

2014/10/13

157種37万エントリーのアイドルブログを分析してみた~時系列編~



みなさん こんちわ。CuteStrategyです。

今回は前回書いた
各アイドルのファン獲得力の比較からわかること
の続きで、アイドルのブログに関する話です。

前回のエントリーは一般向けに書いたものではなく、
メモ程度のものだったので反響は全然なかったのですが(笑)、
書いていて自分自身が面白いので、続編を書きたいと思います。
今回のエントリーもメモみたいなものなので、そこらへんご了承下さい。

前回のエントリーで、
今回のデータで結構面白いことが分かったので、 ブログのいいね数とコメント数を取得するスクリプトあったら、 もっと長い期間や推移が分かったりするので誰か書いて下さい 泣

とポツンと最後らへんに書いたところ、
なんとけんとぉぉ↑↑さんからこんな嬉しいリプライが。
こちらのプログラムを僕の方で以下のように変えてみました。
 ・外部のブログURLのリストファイルを読み込み
 ・1エントリーごとのデータ取得だと数が多くなるので、月次サマリーに変更
 ・旧テンプレートのブログに対してはデータ取得できなかったので対応
 ・日時データの形式がブログによって異なるので、各種日時データに対応

プログラムを触ったのは入社1、2年目にExcelマクロ書いて以来....
懐かしさと面白さの感情を抱きながら改変しました。

前回の対象データは、17個のアイドルに関して2014年6月1週目の期間でしたが、
今回は67個のアイドルグループ(157ブログ)の37万エントリーで全期間(2007年7月以降)と大幅に増えました。
けんとぉぉ↑↑さんありがとうございます!

今回分析する対象のアイドルは、
・Amebaブログで現在もブログを更新しているアイドル
・ブログのアイドルカテゴリのランキングで300位内に入っている
・グループのほぼ全員が書いている(48G以外)
という条件でスクリーニングした結果、以下の67グループにしました。

AKB48も含めたかったのですが、AKB48は人気メンバーによる個人ブログが中心なので、
データサンプルとしてグループ単位を表現するデータとしては不適切かなと思い断念。

ももいろクローバーZ ベイビーレイズ まなみのりさ
私立恵比寿中学 でんぱ組.Inc Le Siana
チームしゃちほこ 夢みるアドレセンス DIANASWEET
たこやきレインボー アイドリング!!! Tokyo Cheer ② Party
SKE48 風男塾 PPP! PiXiON
NMB48 さくら学院 あかぎ団
モーニング娘。 PASSPO☆ 青春!トロピカル丸
Berryz工房 palet HR
スマイレージ Dorothy Little Happy 青山☆聖ハチャメチャハイスクール
Juice=Juice ひめキュンフルーツ缶 東京CLEAR'S
アップアップガールズ(仮) さんみゅ~ おやゆびプリンセス
Theポッシボー Negicco T!P
吉川友 姫CARAT スチームガールズ
フェアリーズ ANNA☆S バニラビーンズ
東京女子流 AXELL 川崎純情小町☆
SUPER☆GiRLS ミルクス
Cheeky Parade Party Rockets
GEM i☆Ris
e-Street TOKYO icle girls
w-Street OSAKA X21
w-Street FUKUOKA とちおとめ25
e-Street SAPPORO Fun×Fam
w-Street NAGOYA 山口活性学園
e-Street SENDAI culumi
プリズム☆メイツ アイドルルネッサンス
Prizmmy☆ RYUTist



プログラムを走らせるだけデータ取得できるので、マヂ楽でした

と長い前置きはさておき、グラフを見て行きましょう。
今回は上のアイドルについて取得したデータを時系列推移について見ていきます。
(前回のエントリーと同じような、ファン獲得力の話は次回予定)

時系列編の今回は前回と比較して基本的なグラフです。
軸とかタイトルは手抜きなのでご了承下さい。

まずは、67つのアイドルがいつアメブロを開始したのかを積上げグラフで


分析対象のグループは、現在もブログを更新しているアイドルなので単調増加です。

現在アメブロのアイドルカテゴリのランキングで300位以内に入るような、
ある一定の人気のあるアイドルは、2010年と2012年に急激に増加し、
2013年以降にはその増加も一段落しています。

次は月次エントリー数の推移
67グループの中で、最初に更新したのは、2007年7月のでんぱ組の1エントリーから。
それが徐々に増え、現在ではなんと1ヶ月で9,000エントリーも更新されています。
1日で300エントリーですね。現在はエントリー数も高止まりしています。
2007年7月から2014年9月までで、なんと37万エントリーも更新されています。

もし、1エントリーを2分掛けて1日12時間読んだとしても、
1ヶ月の増分含めて全部読み切るまで17年も掛かる計算に(笑)

現在1,000グループ近くあると言われているアイドルですが、
そのたった6.5%程度のサンプルでも、
莫大なコンテンツが日々生み出されていることがわかります。

次に1グループごとのエントリー数推移
2011年頃に200エントリーをピークに徐々に減少し、現在では150エントリー程度に。
減少はtwitterでの更新など、情報発信のプラットフォームも増えているのでその影響でしょうか。

2012年頃にアメブロをスタートしたアイドルが更新数が少ないのかな?グループの構成人数の違い?など様々なことも考えられますけど、ココらへんはデータを深堀りすれば簡単にわかることですが、あんまり重要なことでもないので今回は無視

次はコメント総数の月次推移

これは2011年の8月をピークに徐々に減少。
ピーク時には1ヶ月で100万コメント近くも書かれています。純粋に凄い。
アイドルファンのブログ上の熱意が最もピークだったのがこの時期だったとも言えます。

次はいいね数の月次推移
アメブロのいいね機能は2013年9月にローンチされたので、
それ以降急激に伸びており、今年8月にはピークの180万回押されています。

いいねは新しい機能で、現在は習慣的に押す人が少ないため、
まだ徐々に増えていくかもしれません。
なので、いいねの数は時系列比較では利用できない数値ですね。
だから、当ブログではいいね数は同時期のグループ単位での比較でしか利用しないようにします。

面白かったのはだいぶ過去のブログエントリーまで遡っていいね!
を1ヶ月当たり1万回ぐらい押されてること。皆さんマメですね(笑)

いいね数は時系列で比較しても意味が無いので、
コメント数について深堀りしていきましょう。

次はエントリー当たりのコメント数推移
灰色破線はコメント総数です。
これ面白いですね。
2010年4月からあまりエントリー当たりのコメント数は増えていないけれど、
コメント総数が急激に伸びています。

アイドルファンの熱狂度が維持されたまま、スケーリングが成功してアイドルブームが形成されたことが分かります。
逆に2011年8月をピークに徐々に減少していますが、コメント総数より急激な減少をしています。
この時期に先のグラフから分かるように多くのアイドルが参入しているので、熱狂度の希釈化に繋がってしまったのでしょうか。

それを比較するため、今年の9月時点のエントリーあたりのコメント数を基準に、
上位、中位、下位の3つのグループに分割し、
そのグループごとにピークだった2011年8月を数値基準として比較すると以下の様なグラフに。

ピンク線を基準に上位33%のグループは1エントリー当たり61%ものコメント数が減っています。
中位33%は、当初は減少を免れていますが、2013年頃から急速に減少し、45%の減少。
下位33%は、上位、中位のコメント減少分を当初は吸収し増加していますが、徐々にその数値も減っていることが分かります。

以上からエントリーあたりのコメント数の減少は、この指標の大部分を占める上位、中位の減少の影響で、それを下位でも吸収しきれなかったのが減少の主な原因みたいです。

次はエントリーあたりのコメントのピーク時(11/08)と現在(14/09)のアイドルシェアの比較。
このグラフから、
11年時に全体の8割をTOP8で占めていたけれど、それが4割近くまで圧縮されて、
他のアイドルに分散されてきたのが分かりますね。



面白いグラフもうちょっとあるのだけれど貼ったり説明するのが面倒になってきたので、
次はアイドルの個別の話について。

最初はSKE48について。
青色は1エントリー当たりのコメント数推移、灰色破線はGoogle Trendの興味度推移(以下GT値)
GT値はCD売上と高い相関がありましたが、コメントとも0.9と高い相関関係にあります。
結構万能ですねGT値。しかもCD売上の時も同様でしたが、GT値が上昇局面にあるときは、
高い一致率ですが、減少局面に入るとコメント数と乖離が始まります。

GT値の特徴やCDの売上との相関について詳しくは、以下のエントリーで

SKEは67アイドルの中で2番目にエントリーあたりのコメント数が多いアイドルですが、
11年11月をピークに減少。GT値の減少よりコメント数の減少の方が大きいですね。

次にももクロ


ももクロは現在最もエントリー当たりのコメント数が多いアイドルです。
GT値との相関係数は0.96とかなり高い数値。
コメント数は12年12月をピークに減少していますが、SKEと比較するとGT値の減少が激しいにも関わらずコメント数は維持されているのが分かります。

前回話したとおり、ももクロはファンのグリップ力が強いのが特徴になっています。

というかブログのコメント数とGT値の相関によって、
ファンを保持する力(グリップ力)を指標化できそうな気がしてきました。


 次はでんぱ組

コメント数は大部分のアイドルにおいて減少傾向にありますが、でんぱ組は完全に例外。
上述の通り67アイドルの中で最も古い07年07月のエントリーはでんぱ組でしたが、
そこから徐々に増加して11年末から急激に伸びているのが分かります。

このグラフを見て長い間の努力が報われて良かったなぁと感慨深く思います。

でんぱ組以外にも、

風男塾、さくら学院、Negiccoは2010年以前からの活動と、他のアイドルと比較して長い期間の活動をしていますが、多くのアイドルが減少傾向にある中で、徐々にコメント数を増やしている珍しい存在。

さくら学院は、アイドルのプラットフォームとして最も優れたグループの1つだと思いますが、それが結果として出ているのが分かります。
風男塾はコンセプトとポジショニング、ファンのセグメンテーションはアイドル業界の中でも異彩を放っていますし、Negiccoは少しづつファンを獲得して長く愛されて続けている稀有な存在なので、
もし、でんぱ組と同様に長い活動からブレイクが期待されるのはこの3グループから出てくるかもしれません。

次回は、前回のエントリーを17グループから67グループに拡張して分析したいと思います。
【前回】各アイドルのファン獲得力の比較からわかること

いじょー


1 件のコメント:

  1.  48グループに関しては、コメント数の減少についてgoogle+の利用を開始したことによる影響がかなりあるのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

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