好きなアイドル調査結果を紐解く~年代別にどのアイドルが人気か~ | 外資系戦略コンサルタントの視点から見たアイドル・ビジネス

2012/05/31

好きなアイドル調査結果を紐解く~年代別にどのアイドルが人気か~



こんちは。

アイドルビジネス的には久しぶりの更新しようと思います。

2週間前の5/13に夕刊ガジェット通信で

「好きなアイドル調査 年代別にどのグループが人気かを発表」

という記事が公開されました。

http://get.nifty.com/cs/catalog/get_topics/catalog_houkagonews141_1.htm

ガジェット通信調査結果
「好きなアイドル調査 年代別にどのグループが人気かを発表」






























実は以前AKBとハロプロでファン層を比較したのですが、

データの信頼性が低かったので失敗しました。

[リンク]ハロプロとAKB48のファン層を比較する



このような数値データは貴重なので、ちょっと深掘りしたいと思います。
(回りくどい説明が嫌いな人はページ下のグラフを見て頂ければ(笑))

さて、このアンケートについて見たのですが、

若干アンケート設計が悪く、グラフの見方も分かりづらいので、

そこら辺も加味して紐解いて行きたいと思います。


まずはこのアンケートの概要について

・アンケート実施方法
→(多分)インターネットによるアンケート送付・回答

・アンケート回答の対象者
→中高生及び20代~50代の男女 1854人(男女各927人)

・アンケートの質問
→好きなアイドルグループはどれか

・アンケートの選択肢(択一式)

 1.AKB48
 2.スマイレージ
 3.Fairies
 4.モーニング娘。
 5.ももいろクローバーZ
 6.この中にはひとつもない

以上となります。


まずは、アンケートの実施方法やサンプルについて見て行きましょう。

サンプル数が1854人(男女各927人)と書かれているので、

日本国民全体を代表するサンプル数としては十分です。
(例えば10億人の世論調査の場合、1537人のサンプルがあれば信頼できる数値となります。)


但し、どれだけランダムにサンプルを抽出できたかというと、

インターネットによる調査のため都道府県別の分布及び、

インターネットを使用しているかその親和性で偏りがあると考えられます。

(特に4,50代の年代はネットを全く使わない人たちがいるはずです。)


そして対象者については、この調査が残念なところがあります。


それは20代以上は10歳ごとに区分しているにも関わらず、

10代は中高生(13~18歳)として区分していることです。

これでは、分布が分かりづらいため、



この記事では中高生のデータを10代の代表値として数値を拡張します。


次にアンケートの設計(質問や選択肢)について書きたいと思います。

まず、この調査で最も残念なのは選択肢です。


6.この中にはひとつもない

という選択肢を選んだ人は実は2つのグループに分けることができます。


それは、

・1~5のアイドルグループ以外に好きなアイドルがいる

・アイドルに興味がない

というグループです。



これではMECE(MECE)になっていないので、


この選択肢を

6.その他のアイドルグループ

7.アイドルに興味はない

と設定すべきです。




現時点のアンケートではアイドルが好きな人がどれだけいるか分からないので、


最も選択数が少なかったFariesと比較して、他のアイドルグループの検索数は少ないため、

その他のアイドルグループを選んだ人は無視できるほど少ないとして考えます。

(以下のグラフ参照)




最後に、このアンケートで注意しなければいけないのは


択一式であることです。


例えば、モーニング娘。も好きだけどAKBの方が好きな人の場合は、

AKBに1票入れられることになります。



つまり、このアンケート結果でスマイレージが全ての年代で0%だったのは、

ハロヲタの人がモーニング娘。及びスマイレージのどっちが好きかの

選択を迫られることになり、モーニング娘。に票が流れた結果だと思います。




そして、


スマイレージは最近マスメディアに全く出ていないため、


純粋に最も好きなアイドルがスマイレージである人口は1万人以下と推測できます。

(約2万枚のCD売上で複数枚買う人がいると考えた場合、もっと少ない数値になるはずです。)


これは全人口の0.01%となるため、

アンケートで数字として出ない可能性が高いことになります。



さて、このアンケートについてざっと説明したので、

本題のグラフについて移りましょう。(以下は簡単な説明のみにします。)



まず、ガジェット通信のグラフが分かりづらいのですが、

縦軸は%みたいなので、結局は以下であることが言いたかったようです。
(数は男女合計の結果)

世代別好きな女性アイドルグループの割合(男女合計)

各世代で好きなアイドルグループの割合を知ることは重要ですが、

実はビジネスを考える上では、人数を考えることのほうが重要です。


なので、人口動態の数値を加味して、計算しました。

世代別好きな女性アイドルグループの人数(千人)
さて、データも作れたので、これらのデータをブレイクダウンします。

まずは、世代別にアイドルが好きな割合を見ます。

世代別女性アイドルの好きな割合
以上から分かるように

・男性は年代が上がるごとに女性アイドルを好む傾向がある。


・女性は10代がピークで年代が上がるごとに女性アイドルに興味を失う傾向がある。


・男女合計では、年代が上がるごとに減少する傾向があるが、10%程度と少ない



次は人数

世代別女性アイドルの好きな人数(千人)






















・男性は年代が上がるごとにアイドルを好む人数が増加する

・女性は10代がピークで年代が上がるごとにアイドルを好む人数が減少する

・男女合計では、30代までは増加するが、30代をピーク(約800万人)に減少する


この数値については全体(10代~50代)で3500万人のアイドルを好きという人間が

存在することになります。


この数値については野村総研が4000万人という試算結果もだしているので、

あながち間違ってはいなさそうですね。



次に、全世代の人数を元に円グラフを作成。

全世代の女性アイドルグループに対する関心の割合(人口動態加味)























次に興味なしを除いた場合の円グラフ。

つまりアイドルグループの人気度シェアです。

全世代の女性アイドルグループに対する人気度のシェア(人口動態加味)






















もう少しモー娘。のシェアは低く見積もってたぐらいで、

この値に関してはあまり違和感ないかな。



次に、世代別の人気アイドルグループのシェア推移

世代別女性アイドルシェア(男女計)
これについては、

・スマイレージ:前述の通りモー娘。ファンに包含されているため0%

・Fairies:10代に人気(約15%)があるが、他の世代には浸透していない。

・ももクロ:10代の22%のシェアをピークに年代が下がるごとにシェアを失う

・モー娘。:10代は0%だが、年代を上がるごとにシェアを増やす(ピーク50代25%)

・AKB48:年代が上がるごとに増加する傾向があるが、
     全世代で安定して60%~70%のシェアを維持している。

となります。



次に男性の世代別の人気アイドルグループのシェア推移

世代別女性アイドルシェア(男性)

男女計と大きく異なるところはないので、特に言及することは無いですが、

・40代→50代でモーニング娘。の人気が急激に増加。

モーニング娘。当時35歳~45歳なので、

子供が10歳程度の時にモーニング娘に接した可能性のある世代


そして、最後に女性の世代別の人気アイドルグループのシェア推移

世代別女性アイドルシェア(女性)
男女計と男性別のグラフと異なるのは、

・10代のFariesの人気度が高い(約20%)

・男性に比べももクロの10代、20代人気は高いが、30代以降急速に減少

・モー娘。は年代が上がるごとにシェアが上がるが、40代女性のみ減少
→10代~20代の子供がいるため、子供の影響によりAKB人気が高い?

・AKBは年代が上がるごとにシェアを伸ばす

といったところかな。


全体として面白かったのは、

モーニング娘。が世代が上がるに連れてシェアが上がっていること。

確かに、ドリームモーニング娘。がマスコミで扱われることになるわけだ。


実は、シェアからCD購買に関する分析もしたかったんだけど、

文章が長くなったこともあって、ここで終わり。


また、時間があればちょっと他の観点から付け加えてみたいなぁ。。。。。


では、

ばいちゃーーーーこ!!!!!!!!!


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