さて、前回まではAKB48がなぜヒットしたのか、
そしてそのヒットが長く続きそうだと僕が考える理由について述べました。
前回の記事:ハロプロのグループ構成は強みになりうる②
さて今回はテーマである、
ハロプロのグループ構成がアイドル戦国時代と呼ばれる現在において、
SWOT分析において強みとして発揮することが出来るのでしょうか。
その前半部分です。
まずは、現在の(モベキマス出現前)のグループ構成について図示しました。
ハロプログループの構成図とメディア/ファン構成の関係図 |
このように、ハロプロ内でグループが5つ以上あるため、
各グループの予算、時間及び労力が分散し、
高視聴率番組を利用して一般人にリーチすることができていない状況がわかります。
つまり、一般人からライトファンへの移行が殆ど行われていない状況です。
このような状況だと、ハロプロ全体のファンは他のアイドルグループに流れ、
ファンの総数は徐々に減少して行きます。
さて、アップフロントグループは以上の状況について
危機感を覚え(財務状況悪くなっているのも加味して)、
一つの策に出ました。
それがモベキマスです。
モベキマスはハロプログループの32人全員を総出演させて、
「ブスにならない哲学」の楽曲を携えて、
予約握手会の回数も増やした上で積極的にメディアに現場に展開させました。
つまり、下図のようなAKB48と同じグループ構成で新規ファンの取り込みを行おうとしました。
(意識してやったかどうかについては分かりませんが。)
現在のオリコンチャート及びGoogle Insightsの結果を見ると、
若干その試みに失敗しているようです。
・Oriconチャート初登場5位
・Google Insights(モー娘。vs モベキマス)
特にGoogle Insightsの値はかなり深刻です。
というのも、モーニング娘の上位グループとして作ったモベキマスが、
モーニング娘の検索数を下回っています。
つまり、何が起きたかが下図です。
モベキマスは一般人の取込みを失敗? |
正直な話、ビジネスの世界において一回の失敗が、
その試みの失敗かどうかを判断するのは間違っていると思います。
もしかしたら、このモベキマスで2,3曲出せば、実はAKB48を超えるヒットになるかもしれません。
(僕は無い方に掛けますが。。。)
しかし経営を考える人間として念頭においておかなければいけないのは、
最小の資源を用いて、最大の効果を得るという点です。
その観点から見ればこのモベキマスは結局、
・AKB48とは"何が違うのか"
・モベキマスはハロプロ全体のコンセプトを体現しているか
(つまり一般人は何を見たら良いのか)
・そのコンセプトは"顧客にとって何が嬉しいのか"
がとても曖昧なのです。
多分、これから考えるとモベキマスも失敗するだけでなく、
モベキマスが取り込んだ一般人をライトファンにし、
他のハロプログループのファンに移行させる試みも失敗すると思います。
さて、また今回も長くなってきたので、
一回ここで切ります。
次回がこのシリーズの本当の最終回です。
(作文済みですので、途中でやめません(笑))
いつも楽しく読んでいます。
返信削除なっきーと、娘。のフクちゃんファンです。
「個別の仕掛け」の是非もあるのでしょうが、イメージ戦略的には意味がありそうです。
フィギュアにモベキマスにコンセプトないと書きこまれていましたが、
コレオグラファーが古めの人で、曲調や振り付け、早着がえ、生歌、などと意図的に古典的であります。
現在の口パクのおかげで激しいダンスが可能になったアイドルグループとは、全く違うという主張はできている気がします。
ハロプロは長期的戦略で動いているようで、AKBの人気が盛り上がっている時には息を潜めて、人気が落ち始めたタイミングを狙って、戦力を一気に投入しているような気がします。
オーディション、モベキマス、ドラマ
一個一個の仕掛けというよりも、一連の仕掛けに狙いがあるようです
モベキマスの直接的な営業的な効果は、ないかもしれません。
ただアップフロントって、芸能事務所最大手の一つなので、芸能ってことがわかっているし、資金体力もあるので、本当に日本にとって大切な事、をやる会社だと思います。
市民にとってお金は投票権でありますので、そういった本当に日本のためになる会社に投票したく、私はハロプロの商品をきちっと買っています。
一方、秋元さんのところは、普通に考えてタチが悪いので、なるべくお金を使わないで済ませてしまいます。
人に愛されるか、馬鹿にされるか、それがアイドルグループの寿命を決定づけているようです。
AKBは愛されるグループではないので、短い間にどれだけ業界から、フランチャイズ権利料、ロイヤリティ、テレビCMなど、スポンサーからどれだけお金を吸い上げられるかを狙っているようですし、ハロプロは末永く市民に愛され、市民にコンサートやグッズで支えてもらう、そういう狙いのようです
AKBが震災ソングとNHKで震災キャンペーンをやっているときに、ハロプロはみんなでワイワイお祭り騒ぎをやっている。おかげで、なんか楽しく元気になりました。
そういうハロプロが好きデス。
ブスにならない哲学の歌詞は、間接的には震災ソング。露骨にやらないのが、つんく♂さんの良いところだと思います
>匿名さん
返信削除コメント有難うございまっす。
僕としてはアップフロントはハロプロが何がすごいかという
一般人に対してのメッセージは足りてないと思うんですよ。
ファンのかたにとってはハロプロの魅力って沢山ある。
だけど、それが一般人にきちんと伝わっていない。
そしてアップフロント自体ハロプロのコアコンピタンスを定義していないというのが大きな問題だと思います。
あと、僕的にはAKBは息の長い(後2,3年は持つ)アイドルだと思ってます。
僕もハロプロファンなので匿名さんのおっしゃることすごいわかりますし、歯がゆいんですよねぇ(><)
モベキマスのコンセプトは内向きには明快で「シーンへの殴りこみ」ですよね。さらに言えば「オールスターズ」(お祭りのための一時的な集合)ではなくて「連合艦隊」(マスの戦闘力で勝負するための戦力結集)であるので「AKBとどう違う」というより「ハロプロが本気を出した」事のほうが今はまだ重要な段階で、AKBとの差別化などはまだ運営も何も考えていないように思います。
返信削除よみうりランドに行かれたと思いますが、たったそれだけのコンセプトでそれまで散り散りだったハロプロ支持者がよみうりランドに集結して大惨事wになったことで「内向き」にはアップフロントからのコンセプトは明快に伝わったのではないかと思います。
匿名さんも書かれていますが、アップフロントの戦略はAKBはいずれ落ちる、その時にハロプロが一定層の支持者を保っていられれば勝ち。その時にまでに「これ以上顧客を失いたくない」「名前だけ売っておいてAKB終了後の受け皿としての選択肢の一つになっておきたい」という思惑の具体化が「モベキマス」なんではないかと思います。
よみうりランドに何も知らないまっさらな一般人が「モベキマス」を見に行ったとしたら、モベキマスは「ONE FOR ALL」と「哲学」しか歌わないわけですから愕然でしょうw ですが久しぶりに現場に行った人間からすれば「今ハロプロの各ユニットはこういう風になっている」を再確認するための「ショーケース」ライブとして充分機能していて、普段PVばかりで現場に行かないライト層な自分としては十二分に楽しめるイベントになっていたと思いました。
そういった意味でモベキマスは「消えないため」「再浮上する」ための具体策の一つで、その先の「拡大」とか「成長する」とかの施策は別に打ってくるのではないかなと考えています。
よみうりではベリの温度の低さが気になりました。ベリは夏に汐留でも見たんですが、その時も同じでちょっと温度が低すぎる。℃のコンパクトな高性能さとは対照的な低調さを感じました。コンセプトも含めて色々と曲がり角なんでしょうか。
>bluetoneさん
返信削除おニャン子の話といい、すごいタメになる話ありがとうございます。
確かにモベキマスの試みは、何か次の一手のプロトタイプの気がするので、次に何をやっているか一ファンとしてハラハラどきどきしてます(笑)
>匿名さんも書かれていますが、アップフロントの戦略はAKBはいずれ落ちる、その時にハロプロが一定層の支持者を保っていられれば勝ち。その時にまでに「これ以上顧客を失いたくない」「名前だけ売っておいてAKB終了後の受け皿としての選択肢の一つになっておきたい」という思惑の具体化が「モベキマス」なんではないかと思います。
上のくだりは、アップフロントがこれを意識してやっているのであれば、モベキマスの戦略の一貫性はありますね。
ベリに関しては同じように思います。
個性のバラバラさが売りではありながら、それを一つにまとめられない(まとめない)ことによる、コンセプトの定まらなさがすごい勿体ないです。
また、時間ある時にコメント頂けるとありがたいです。
bluetoneさんのブログも読まさせてもらいます!