アイドルの市場/戦略/ビジネスモデル/マーケティングなどを分析。本業の隙間にアイドルのビジネス・アドバイザー/講演/寄稿の活動。
主にTwitter(CuteStrategy)に生息。
主な活動:【執筆】Business Journal/Huffington Post/BLOGOS 【講演】企業向けセミナー/アイドルが学ぶマーケティング講座
2011/11/30
海外進出 ちょっとその前にやることあるんじゃない?①
皆さん こんちわ。
今日は各アイドルグループが海外進出する前に、
もうちょっとアイドルグループ全体として考えて動いたほうが良いんじゃないの?
という話をしたいと思います。
毎度ながら文章多めなので覚悟して下さい(笑)
さて、Buono!やBerryz工房が海外公演を実施することが決まり、
いちファンとしてしてはすごく嬉しいのです。
Buono!→パリ公演開催
Berryz工房→アメリカ公演開催
やっぱり、自分が好きなグループが世界的に注目を浴びることは嬉しいですし、
アイドル達本人の今後のモチベーションにもなりますから。
だけど、ちょっとビジネス寄りの視点から見てみましょう。
昨今、企業のグローバル経営が叫ばれて随分時間が経ちました。
その中で、
例外に漏れずアイドルもアジア、アメリカ、ヨーロッパにおいて単独で公演を行ったり、
アニメエキスポやジャパンエキスポ等のイベントで公演をすることはあるのですが、
大きく成功した事例ってあったでしょうか。
確かに、単独で盛り上がった事例はあるでしょう。
しかし、連続公演や、海外に注力するアイドルグループが存在しないことを考えれば、
成功(つまり企業として継続的に利益を稼げたか)という点においては、
Noになるわけです。
そして海外での公演は、
海外からも人気があることを日本でアピールするための手法に留まっています。
さらに日本のアイドルが海外で成功した事例って、
よく考えればPUFFYぐらいしか思い当たりません。
(PUFFYがアイドルかアーティストかの議論は置いておきます)
つまり、
海外の日本アイドル市場は、
せいぜい数億円程度(CD/DVDコンテンツ売上がメイン)の立ち上げ期に該当しており、
市場がほとんど存在しないのです。
そこで、
ある地域では成熟した市場にも関わらず、
世界的には認知されていない市場がある場合、 どのような対策を取ればよいのでしょうか。
今日は、それについて述べてみたいと思います。
(前置きが長い!・・・・)
結論としては、ありきたりですが、
「アニメ産業とタイアップして、
芸能プロダクション合同のアイドルエキスポをなるべく早く海外で実施する。」
ということです。
一つづつこの文言について説明したいと思います。
「アニメ産業とタイアップして」という点ですが、
これは、特に海外のアニメ・エキスポに被せろと言っている訳ではありません。
(ただし、時期をアニメ・エキスポ前後にアイドル・エキスポを開催するのはアリだと思います。)
アニメ産業は日本が輸出するコンテンツとして最大規模(2000億円程度
漫画・キャラクター等を合わせると1兆円規模)であり、
アニメを機軸として日本文化に興味を持ってもらえる良いコンテンツです。
また、海外で人気のある日本のバンドは、
アニメ曲のOP、ED曲に多用されているため、これらの相関性は高いはずです。
(これについてはいつかまとめられれば・・・)
しかも、アニメキャラクターの良さ(萌えの概念?)を理解しているアニメファンは、
アイドルを好きになる余地を持っている良いターゲットとなります。
特に欧米ではSexyさが求められる文化であるため、
幼さの感じる日本の女子高生を、
様々な欲求の対象とするには、日本以上に受け入れにくい文化であるため、
そこに抵抗感がないアニメファンの取り込みは重要だと考えられます。
これらを利用して、
アニメのOP曲、ED曲にアイドルの歌を多用してもらい、
コンテンツとして輸出します。
(海外で放映される場合は、
日本語のOP,ED曲が海外の曲に差し替えられると聞きますが、
英語訳の曲も作れば良いでしょう。
そして日本のコンテンツをコピーされたとしても、
曲は消費者に届きます。)
そこで、アニメを利用してアイドルが受け入れられる下地を醸成することが重要です。
海外進出を真剣に考えるのであれば、
ある程度有名になりうるアニメへの曲の提供は、無料でお願いしても元が取れると思います。
さて、次に
「芸能プロダクション合同のアイドルエキスポ」という点です。
まず、日本の5,600億円の市場を現在、
芸能プロダクションはしのぎを削って奪い合っています。
AKB48の近年のブームのお陰で市場が成長し、
市場の裾野が広がっているとは言え、多くのアイドルグループが乱立しています。
つまり、
小さい市場で多くの競合が競争している、 ビジネスとしておいしくない市場なのです。
(これは、いつかは日本のアイドル市場が弱体化していくことになります。)
この市場を拡大するためには市場が成熟し、高齢化に向かう日本市場より、
立ち上げ期の海外の方が良いでしょう。
しかも、
アイドルの海外公演という点を考えると、
アイドル本人+マネージャー等+衣装+メイク道具+音源+マイクセット(現地調達も可)
の輸送費程度しか掛からないため、
楽器や音響等を輸送する必要があるバンドの海外公演よりコストは低いので、
海外コンテンツ輸出に向いています。
さて、そのような海外市場を狙うに当たって、
現在の芸能プロダクションは日本のアイドル市場と同様に、
協力体制を築かず、単独で実施しているのは完全に旧態然としている業界です。
Google、Apple、Amazonが電子書籍の市場で、
グローバルでのプラットフォームを作っているにも関わらず
日本の出版社や新聞社数社が合同で、
独自の仕様に基づいたビジネスを展開し、
失敗しています。
そして公共事業の輸出に関しても、日本企業はバラバラに動いて、
サービスを含めたパッケージ化をせず輸出するため、
公共事業入札に失敗しています。
僕はそんな業界の失敗と同じ轍をアイドル業界は踏んで欲しくないと、
切に願っています。
さて、長くなったので、一旦ここで切りたいと思います。
次は芸能プロダクションが合同で開くメリットについて述べたいと思います。
続きは→海外進出 ちょっとその前にやることあるんじゃない?②
ばいちゃーこ
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