皆さん こんちは
今回は、ちょっと気になるニュースがあったので、
他のシリーズ物はさておき、書きたいと思います。
(こうやって、シリーズ物の未完が増えてくんですが・・・・(笑))
AKB48がファンクラブをリニューアルしました。
リニューアルの理由は、旧ファンクラブ(柱の会)の運用では、
チケットの転売が横行したとのことでした。
そして、リニューアルされた新会員の値段が入会金:1000円 年会費480円と
既存のアーティストやアイドルのファンクラブの会費と比べると、
ビックリするぐらい安い値段なのです。
リンク→新ファンクラブについてのお知らせ
これを知ると共に僕は笑ってしまいました。
別にこの笑いは、嘲笑や侮蔑の意味ではなく、
「AKBの経営企画の人は、よく考えてるなぁ。
しかも自分の想定を下回る思い切った価格設定で」
しかも自分の想定を下回る思い切った価格設定で」
とビックリと感動した感情がこみ上げてきたのです。
AKSは中途採用でベンチャー等の経営企画から
ビジネス畑の人間を募集しているので、
こういったビジネスの仕方は本当によく考えていると思います。
さて、話を本題に戻しましょう。
まず、入会金:1000円 年会費480円という価格設定に
どんなメッセージが含まれているか。
これに関しては、
・AKBは広い層の皆さんに、長い期間愛されるアイドルでいたい
・AKBは、遠い存在のアイドルではなく、身近な存在のアイドルでありたい
・他のファンクラブは5000円近くの年会費取ってるけど、うちと比べてそんなに価値あるの?
などです。
同一住所で重複して応募可能か等の
ファン1人あたりで何口入会できるかという入会資格の運用によって
大きくこのメッセージも変わってくるのですが、
多分、リニューアルの理由から、1人1口で、個人認証可能な仕組みにするのでしょう。
まず最初のメッセージの"広い層の皆さん"にという点ですが、
入会金:1000円 年会費480円という価格設定は小学生のお小遣いでも
入会可能な価格設定になっています。
元は年会費4000円でしたから、約10分の1近い価格設定をすることによって、
幅広い年齢層の取り込みを狙っています。
需要曲線を考えると、
ざくっと1/xと双曲線モデルで仮定した場合10倍近いファンの取り込みができる可能性があります。
(僕は双曲線モデルよりロジットモデルの方だと思いますが、単純化のため・・・・)
双曲線モデル |
ロジットモデル |
参考(:需要曲線)
さて、次に"長い期間"といったことに関しては、
入会金は他のアイドルや旧ファンクラブと同じ価格設定をし、
年会費を大幅に下げたことを意味しています。
別に入会金0円 年会費1480円といった、携帯課金モデルに似た形でも良かったのです。
(入会業務でお金掛かるじゃんと思う人もいるかも知れませんが、
初年度は1480円払うことになり、AKSとしては年会費で入会金を賄えます。)
それをしなかったのは、AKB48は長い間活動することを念頭に入れているから、
長い間無理ないお金で応援してねというメッセージを意味しています。
(よく、何百万、何千万もAKBにつぎ込んでる人がニュースになったりしていますが、
あれって0.数%~1%程度のサンプルであって、
コンテンツのネットやTV消費、握手会等だけで済ませれば
AKBを応援するにはそこまでお金を必要としません。)
次に身近な存在のアイドルと言った内容になりますが、
これは"広い層の皆さんに"といった内容と似ていますが、ちょっと違います。
広い層は各個人が払える"絶対値"の金額(小学生でも払える金額)であって、
"身近な存在のアイドル"は他のアイドルと比較した、"比較値"を意味します。
例えば極論ですが、ユニクロの洋服と、GUCCIの洋服を比較した場合、
ユニクロの1980円という価格の安さに惹かれなくても、
世界にこの2社しかブランドが存在しないとして、GUCCIと比較した場合、
コストパフォーマンスが良いから
(つまり、
ブランドや先端ファッションを取り入れに何十万もお金を出す価値を見いだせない場合)、
ユニクロを買う人は多くなります。
こういったように、AKBは他のアイドルと比べて安い価格設定をすることによって、
ユニクロと同じように"身近な存在"であって、未完成だけど、完成に向かって進むストーリーを
消費して下さいというAKBのストーリー構築とマッチしているのです。
さて、最後に他のアイドルグループと比較してファンクラブは"そんなに価値"あるの?
という内容です。
AKBの成功の要因として、アイドルのデフレ化を進めたことにあります。
AKBは人数を多く保有していることにより、全国での握手会、毎日の劇場公演を可能にし、
接触を中心とするファンの囲い込みに成功しました。
他のアイドルグループ(特にハロプロ)にとって、
AKBの戦略に追従するには人数の補強が必要となり、
育成したアイドルの価値を希釈してしまう上に、
しかも今までの収益を下げるアクションを取る必要が出てしまい、
"アイドルのデフレ化"に乗ることは自分たちクビを絞めてしまうことになります。
そこでファンクラブにおいてもデフレ化を推進することにより、
他のアイドルグループを応援することはAKBと比べて"そんなに価値がある"のか?
という、他のアイドルグループにとっては最も嫌なメッセージが込められているのです。
もちろん、AKBのファンクラブは年会費480円で済むような努力はしています。
例えばハロプロは年に6回程度、郵便物が届きますが、
これには、6回*(80円+印刷代+人件費40円(1回につき2分の業務として)
で約1000円程度掛かります。
そんなコストを低減するために、郵送等は避け、
それをネット上で補完するため、480円の価格設定が可能になったのです。
このように、AKBをビジネス視点から考えるとすごいなぁと僕が思っているのは、
"AKBの戦略とマッチさせる形でビジネスが構築されている"
というのがどれをとっても明確にメッセージとして伝わってくるというのが理由です。
まぁ確かに、ライブの転売を抑える施策と、
AKBのモバイル会員との住み分けどうするんだという課題も残ってるんですが、
そこには目を瞑りました。
いつか、ジャニーズ、AKB、韓流アイドル、ハロプロ、ももクロ、その他アイドルの
ファンクラブの価格帯と入会の運用、サービスについて比較できたらなぁと
思うんだけど、まぁ時間的に難しいかなぁ。
情報収集は仕事上ではジュニアコンサルタントか調査会社に投げることができるから、
楽なんだけども
このブログは一人で情報収集もやっているので・・・・・・
(誰か手伝ってくれないかなぁ~~~~~(笑))
さて、AKBの話は以上としましょう。
まぁこのブログのテーマはハロプロなんで、
ハロプロに関して言うと、
僕は別にハロプロは価格帯を下げる必要はないと思っています。
但し、会員の枠組みはジュニアで小6以下で中高生がメンテナンスされていないこと、
あと、会報など作業・お金ばかり掛かってあまり意味のないサービスは切って、
もっとお金の配分を考えるべきなんじゃないかなぁと思いますが、
実はそこらへんは、いまいちハロプロの戦略が固まってないというのもあって、
No Ideaです。
ちょっとTwitter上でも呟いたのですが、
AKB48をもしユニクロに例えた場合、
ハロプロが目指すブランドってCOACHだと思います。
女性の方は1つ程度は、財布や鞄など持っているのではないでしょうか。
COACHは1941年設立されたアメリカのブランドで、
1980年頃まではある程度の人気があるブランドでした。
しかし、1990年前半には、"やぼったい"、"若者向ではない"
といった評価になってしまい、人気は低迷しました。
しかし1990年後半には"手に届く高級品"というマーケットセグメントを構築し、
先端のファッション要素を取り入れてから、
今のような若者に人気があるブランドに再生されたというブランドストーリーがあります。
ブランド再生という点及び"手に届く高級品"といったイメージは
結構ハロプロの再生を考える上では良い事例だと思うので、
ちょっと土日に書籍や経営学の論文(といっても、HBRの記事ですが・・・)
あたりで勉強したいと思っています。
いつの日か、
COACHの事例から面白い観点でハロプロに当てはめられた文章書けたらなぁと思います
(そう、いつの日か来たらいいなー)
話は変わりますが、
LOUIS VUITTON擁するLVMHグループのブランドイメージまで行くと、
アイドルではなく、アーティストレベルになると思っていて、
アイドルという元々ある身近さが薄れるのは避けたいというのがあります。
そう言えばアイドル(アーティスト)業界のLVMHブランドイメージである、
浜崎あゆみとか安室奈美恵レベルの人って、
今それに該当する人いないですよね・・・・
やっぱり景気悪い時は、そういったセグメントの人って生まれにくいのでしょうか。。。。
さて、AKB48のファンクラブからなぜか服飾業界のブランドに論理展開してしまいましたが、
以上とします。
(実は、特にハロプロのファンクラブ構成をどうするかという案が全くなかったので、
無理やりブランドにつなげてしまいました。すんません。)
ばいちゃーこ
ハロプロの女性ファンですが、
返信削除ブランドに例えるお話とても分かりやすかったです。
アップフロントの、ハロプロ部門が
一体どうやって運営されているのかは分かりませんが、
マンパワーが足りず、
しかも新しいアクションを起こしにくい雰囲気なんだろうな、
というのは何となく感じます。
私も入口さえあればアップフロントに入社したいと思っているクチです笑
これからも更新楽しみにしています!
ハロプロには興味はありますが、
返信削除CD購入、ライブに行くなどしたことがない
アイドルファンです。
新規の投稿いつも楽しみしています。
ハロプロの各ユニット
歌もダンスもルックスもキャラクターも
全部揃ってるのに何故一般ウケしないのか
非常に興味深く思えます。
私の場合はつんくさんのプロデュースが苦手だからです・・・
(歌詞、曲、歌唱の指導、シャッフルユニットの組み方、グループの頻繁なメンバーチェンジのやり方)
アップフロントを市場分析ではなくて
経営者論で語るとどうなりますか?
秋元さんとの対比は興味があります。
いよいよ来年は淘汰の時代に突入する気配ですね。
返信削除>匿名さん
返信削除もしアップフロント入社したら、
偉くなって僕も雇って下さい(笑)
女性ハロプロファンの意見は貴重なので、
今後共宜しくお願いしまーっす
>匿名さん
返信削除ハロプロは本当に良い物持ってるのに、
最大限に活かせてないですよねぇ(><)
経営者論ですか・・・・
難しいですね。。。
というのも、
プロデューサーは各々秋元さん、つんくさんの二人ですが、
経営者はアップフロントの山崎直樹さんは
あんまり実像がつかめないというのもあります。
なのでプロデューサー論であれば、
おニャン子時代からモー娘。最盛期の過去の書籍を読めば、
どうにか語れるレベルになるかもしれません(笑)
購買しないファン層も気になる所なので、
今後共お願いしまーっっす
>匿名さん
返信削除アップフロントは財務状況次第なので、
来年なのかどうかは分かりませんが、
他のアイドルも来年当たりでポシャることは
無いような気がします。
というのもAKBのお陰でアイドル市場は大きくなっていて、
きちんとしたポジショニングが置かれていれば、
AKBからファンが流れてくるんじゃないかと邪推してまっす。
まぁ占い師ではないので、なんともいえません!(笑)
どもです
返信削除この↑の事がハロにどう影響するかは不明ですが
何かライブドアの株式分割を連想するんですよね
ハロプロに嵌ってはいないけど
返信削除ブログを見てますと書いたものですが。
そういえばハロプロもAKBも
経営者とプロデューサーは違いますね
基本的なところ理解できてなくてすみません。
アイドルのプロデューサー論はあっても経営論
ってなかなかないですよね。
アイドルに多くの事務所が参入しているのを見ると
アイドルは小さく利益をだすには割と手堅いのかと
思ったりしています。
ハロプロはその点小さく利益を出す仕組みは
ちゃんとできてるように思えますがどうでしょうか。
定期的に見ていますので、
これからも楽しみにしています!
>匿名さん
返信削除>アイドルは小さく利益をだすには割と手堅いのかと
CDよりも物販やライブの方が稼げるので、
アイドルは他のアーティストと比べて、
確かに小さく利益は出しやすいと思います。
>ハロプロはその点小さく利益を出す仕組みは
>ちゃんとできてるように思えますがどうでしょうか。
そうですね。ハロプロは他のアイドルに比べて
熱狂的なファン(特に、ライブツアーを全国全ての回行っちゃうような)が多いので、利益は良いと思いますね。
すごい興味深い記事です
返信削除あなたのような人がアップフロントにいればいいのに。
それともあなたのような人がいるけど、アップフロントが使いきれてないのか。